最終更新日 2025年11月4日 by nfobiz
冷蔵庫のドアを開けて、ぼーっと中を眺めてしまうとき。
「なにかあったはずなのに、なんだったっけ…」と、頭の中が真っ白になるあの瞬間、人はいとも簡単に哲学者になります。
「考える」って、不思議ですよね。
うまくいっているときは最高の相棒なのに、一度こじれると、とたんに私たちをがんじがらめにする厄介なやつに変わります。
「ああでもない、こうでもない…」
気づけば、思考の迷路で一日が終わり、結局なにも始められなかった。
そんな夜に、ため息をついた経験はありませんか?
こんにちは。
“考えることを、もっと遊ぼう”をテーマに、思考と創造性のメディア「PlayThink」を運営している、佐伯茉莉奈です。
実は、かつての私も、あなたと同じように「考えすぎる沼」の住人でした。
広告代理店でコピーライターをしていた頃、上司から言われた一言が今でも忘れられません。
「君の言葉は正しい。でも、ぜんぜん面白くない。」
ロジックを完璧に積み上げることばかりに夢中で、人の心を動かす「遊び」を忘れていたんですね。
この記事では、そんなガチガチの石頭だった私がたどり着いた、思考を軽くして、フッと行動できるようになる“3つの遊び方”をご紹介します。
難しい理論は一切なし。
読み終わる頃には、きっと「なんだ、考えてもいいんだ。もっと遊んでみよう」と、少しだけ心が軽くなっているはずです。
目次
なぜ、私たちは「考えすぎて」動けなくなってしまうのか?
そもそも、なぜ私たちの頭はこんなにも「渋滞」してしまうのでしょうか。
それは多くの場合、無意識のうちに「たったひとつの正解」を探そうとしているからです。
まるで、宝探しゲームのように、ピカピカに光る完璧な答えがどこかにあるはずだと信じて疑わない。
この思考のクセは、いくつかの厄介な渋滞を引き起こします。
- 完璧主義という名の検問: 「100点の答え以外はダメ」という厳しい検問官が、アイデアの芽を片っ端から摘んでいきます。
- 失敗恐怖という名のノロノロ運転: 「もし間違ったらどうしよう…」という不安が、思考のアクセルを踏み込むのをためらわせます。
- 情報過多という名のジャンクション: あまりに多くの情報と選択肢が、どっちに進めばいいのか分からなくさせてしまうのです。
何を隠そう、私自身がこの渋滞の常習犯でした。
フリーランスになりたての頃、ある大きなプロジェクトの企画書を任されたことがあります。
「絶対に失敗できない」
そう思い詰めた私は、寝る間も惜しんでリサーチし、分厚い企画書を書き上げました。
自分では「完璧だ」と思った。
でも、その企画書は通りませんでした。
理由は、「詰め込みすぎて、何がしたいのか伝わらない」から。
あの時の私は、「正しさ」という名の鎧で自分をガチガチに固めていたんです。
その結果、チームの仲間も、そして自分自身も、すっかり疲れさせてしまいました。
正しさに囚われると、人も思考も動かなくなる。
この痛い経験が、今の私の原点になっています。
明日香出版社さんから出ている以下の本もおすすめですよ、興味がある方は読んでみてください。
思考が走り出す!脳が喜ぶ3つの「アタマの遊び方」
頭の中の交通渋滞を解消するのに、難しい理屈や根性論は必要ありません。
必要なのは、ほんの少しの「遊び心」。
これから、あなたの固くなった思考をときほぐす、簡単でちょっと面白い3つの遊び方を紹介します。
どれも私が普段から実践している、とっておきの方法です。
遊び方①:「ありえない質問」で脳のストレッチ
最初の遊びは、脳の準備運動。
カチコチになった常識や前提を、ぐにゃぐにゃにするためのストレッチです。
やり方はとっても簡単。
今あなたが悩んでいることに対して、あえて「ありえない質問」を投げかけてみるだけ。
ポイントは、答えを出すことではなく、バカバカしい質問を考えることそのものを楽しむことです。
たとえば、こんな感じ。
🤔 お題:「来週のプレゼン、どうしよう…」
【ありえない質問リスト】
- もし、このプレゼンの持ち時間が3時間あったら?
- もし、プレゼン相手が全員、宇宙人だったら何を一番に伝える?
- もし、パワーポイント禁止で、すべてジェスチャーで伝えなきゃいけなかったら?
- もし、このプレゼンが大成功したら、総理大臣になれるとしたら?
どうでしょう。
くだらないですよね?でも、それでいいんです。
「ジェスチャーだけで伝えるなら、一番大事なポイントはここだな」
「宇宙人に伝えるなら、そもそもこのプロジェクトの前提から話さないとダメか」
こんな風に、ばかばかしい質問を考えているうちに、自然と物事を違う角度から見るクセがつきます。
これは、心理学でいう「リフレーミング」という手法の応用で、思考の枠組みをズラしてあげる効果があるんですよ。
まずは、笑ってしまうくらいヘンテコな質問で、脳を遊ばせてあげましょう。
遊び方②:「主人公なりきり」で視点をジャンプ
一人でうんうん唸っていても、なかなか良いアイデアは浮かばないものです。
そんなときは、頭の中を劇場にして、いろんな登場人物を呼び出してしまいましょう。
名付けて、「主人公なりきり」思考法。
これは、自分以外の多様な視点を取り入れる「シックス・シンキング・ハット」という発想法を、もっと演劇的に、もっと面白くアレンジした遊びです。
まず、あなたの議題について意見を言ってくれそうなキャラクターを、自由にキャスティングします。
🤔 お題:「新しいサービスの企画、A案とB案どっちがいい?」
【脳内キャスト】
- 超慎重派で、いつも最悪のケースを想定する「石橋さん」
- ノリと勢いが命!の楽観的な「イケイケ新人くん」
- ユーザーの気持ちに誰よりも寄り添う、心優しい「共感お姉さん」
- (お好みで)なぜかいる歴史上の偉人「坂本龍馬」
キャスティングできたら、彼らになりきってセリフを言わせてみます。
- 石橋さんなら… 「待ってください。B案には〇〇というリスクが潜んでいるのでは?」
- イケイケ新人くんなら… 「A案、めっちゃ面白そうじゃないスか!とりあえずやってみましょうよ!」
- 共感お姉さんなら… 「お客様は、B案のほうがシンプルで分かりやすいと感じるかもしれませんね…」
- 坂本龍馬なら… 「どっちが日本の夜明けに繋がるか、じゃ!」
ポイントは、本気でその人になりきること。
即興演劇のように楽しむことで、自分一人では絶対にたどり着けなかった視点がポロッと出てきたりします。
自分の意見は一旦わきに置いて、他人のアタマを借りてみる。
この視点のジャンプが、行き詰まった思考に爽やかな風を吹き込んでくれます。
遊び方③:「どうやったら大失敗できる?」で逆から考える
最後の遊びは、ちょっとトリッキーです。
うまくいかなくて悩んでいるなら、いっそのこと「どうやったら最高に大失敗できるか?」を本気で考えてみるのです。
これは、「水平思考」という、物事をあえて斜めから見る思考法を応用した遊び。
成功への道をまっすぐ探すのではなく、失敗への道をリストアップすることで、結果的に進むべき道が見えてくる、という逆説的なアプローチです。
🤔 お題:「今日のデートを成功させたい」
【最高に大失敗させる方法リスト】
- 待ち合わせ場所に、3時間遅刻する。
- 会話中、ずっとスマホをいじっている。
- 自分の話だけを、マシンガンのように話し続ける。
- お店のチョイスを、すべて相手に丸投げする。
どうでしょうか。
「絶対に大失敗する方法」を考えていくと、その裏返しとして「じゃあ、どうすればうまくいくか」が驚くほどクリアに見えてきませんか?
「3時間遅刻がダメなら、10分前には着いておこう」
「自分の話ばかりじゃなく、相手の話を笑顔で聞く時間を作ろう」
失敗を具体的にイメージすることは、失敗への漠然とした恐怖を取り除いてくれる効果もあります。
「これをやらなければ、少なくとも大失敗はしない」と思えるだけで、心が少し軽くなり、最初の一歩が踏み出しやすくなるんです。
“間違いは、アイデアの赤ちゃんだよ”と、私はよく言います。
失敗という視点と遊ぶことで、成功はぐっと近づいてきます。
「考える遊び」を日常のクセにする小さなコツ
ここまで3つの遊び方を紹介してきましたが、大切なのはこれらを特別なものではなく、歯磨きのような日常の習慣にしてしまうことです。
- 通勤中に“ありえない質問”
「もし、この電車の行き先が江戸時代だったら?」 - ランチのときに“主人公なりきり”
「あの部長なら、この唐揚げ定食をどうレビューするだろう?」 - 寝る前に“大失敗プラン”
「明日を最高にグダグダな一日にするには、どうすればいい?」
こんな風に、日常のあらゆる場面を「思考の遊び場」に変えてみてください。
きっと、毎日が少しだけ面白く、創造的に見えてくるはずです。
まとめ
さて、ここまで思考を軽くするための3つの遊び方についてお話ししてきました。
最後に、今日のポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 考えすぎて動けない原因は、「たったひとつの正解」を探しすぎるから。
- 思考の渋滞を解消するには、真面目に悩むより「遊び心」が一番の近道。
- 具体的な3つの遊び方:
- 「ありえない質問」で、常識のストレッチをしよう。
- 「主人公なりきり」で、視点を軽やかにジャンプさせよう。
- 「どうやったら大失敗できる?」で、逆から答えを見つけにいこう。
思考は、あなたを苦しめるための道具ではありません。
本来は、人生を面白くするための、あなただけの“最高の遊び道具”のはず。
もしまた、頭の中がごちゃごちゃになって、動けないと感じたら。
今日の話を思い出してみてください。
そして、自分にこう言ってあげるんです。
「考えすぎたら、笑えばいい。」
さあ、まずは試しに、今あなたが見ているこの画面に対して、何かひとつ、最高にくだらない「ありえない質問」をしてみてください。
その小さな遊びが、あなたの明日をきっと軽くしてくれるはずですから。